上肢や下肢にしびれや痛みが出現する原因として、脊椎(せぼね)を構成している椎間板・椎骨・黄色靱帯などの変性肥厚(老化)により、脊髄や馬尾・神経根が圧迫されて起こるものがほとんどです。投薬やブロック注射では効果がない場合、そのしびれや痛みの責任高位を的確に診断し脊椎内視鏡でピンポイントに手術治療を行うのが脊椎内視鏡外科です。16mmほどの皮膚切開で筋肉の間から神経除圧が行えるので、早期離床も可能となり術後1~2日目に退院することも可能です。
整形外科や脳神経外科で加療する脊椎脊髄病を治療の対象としており、保存加療で効果がない場合に脊椎内視鏡を用いた高度な低侵襲手術を行います。全身麻酔下にMETRxシステムを用いて脊椎後方(背中側)から、通常は2椎間までは1皮切(16mmほど)で手術を行います。従来法と比べると、出血量はかなり少なく手術時間も短時間でありますので、手術中は尿道バルーンも通常は留置しません。術後の痛みも少ないため、麻酔覚醒後から早期離床が可能であり、背筋に対して低侵襲でもあるためコルセットやカラーは不要であり、術後のリハビリ入院もほとんどの場合不要となります。
ドレーン(創部に入れた血抜きの管)が抜去できれば1~3泊ほどで独歩退院
でき、早期退院・社会復帰も可能となります。
※腰痛や肩こりのみで、上肢や下肢にしびれや痛みがない場合には、手術適応となりません。
※長く立っていたり歩いていくと出現してくるしびれは手術後には軽快しますが、安静時(寝ていたり座っていて感じるもの)にしびれがある場合は、手術をしてもよくなるかどうかはわかりません。特に1年以上前から安静時のしびれを自覚している場合には、手術をしてもしびれは改善せずに遺残してしまいます。
※安静時のしびれを自覚したら、できるだけ早期の手術をお勧めします。