こんな症状の方に

こんな症状の方は脊髄内視鏡外科を受診してください

下肢の症状

坐骨神経痛や下肢のしびれがある

腰・臀部(おしり)~大腿(太もも)・下腿(ふくらはぎ)・足の指にかけてしびれや痛みが出現し日常生活が困難となってきた。

長く立っていたり歩いていくと、下肢がだるくなってくる・しびれがでてくる・足が前に出なくなってくるなどの症状が出現し、しゃがみこむあるいは前かがみの姿勢で少し休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行:かんけつせいはこう)という症状を認める。

途中で休まないと立位歩行ができない
(間欠性跛行)

腰をそったり、上を向いて寝ていると、臀部から足にかけて電気が走るような痛みが出現してくるようになった。あるいは、横向きでないと寝ることが出来なくなってきた。

長く歩いていくとつまづいたり、膝の力が抜けて歩けなくなってくるのだが、腰を曲げて歩くと長く歩ける。

上肢の症状

首(頚椎)から腕や指先にかけてしびれや痛みが出現して、日常生活が一部困難となってきた。

箸使い・ボタンはめ・書字など(巧緻運動障害:こうちうんどうしょうがい)がしづらくなってきた。

歩いていくと膝がガクッと力が抜けたり、足先がつよくつまづいてこけそうになったりしてきた。

階段は手すりを使えば登れるが、降りるのがスムーズに降りれずに怖くなってきた。

空を見上げたり、うがいをした時などに、首から腕や手の指あるいは背中全体に電気が走るような痛みがでてきた。

手に持ったものを容易に落とすようになったり、腕や足に力が入りづらくなってきた。

上を向いて横になると、上肢に痛みやしびれが出現して寝ることができなくなってきた。

午前中は調子良いが、午後から夕方になってくると腰や下肢が重くだるくなってくる。

※腰痛や肩こりのみで上肢や下肢にしびれや痛みがない場合には、脊椎内視鏡手術の適応とはなりません。

※長く立っていたり歩いていくと出現してくるしびれは手術後には軽快しますが、安静時(寝ていたり座っていて感じるもの)にしびれがある場合は、手術をしてもよくなるかどうかはわかりません。特に1年以上前から安静時のしびれを自覚している場合には、手術をしてもしびれは改善せずに遺残しています。

※安静時のしびれを自覚したら、できるだけ早期の手術をお勧めします。

脊椎内視鏡外科の手術適応疾患

せぼねの中に神経の通り道(脊柱管および椎間孔)があり、せぼねの老化により神経の通り道が狭くなっていきます(脊椎変性)。

脊椎変性が進行すると脊髄・馬尾・神経根を圧迫するようになり、圧迫が進行すると神経の血流が悪くなるため様々な神経症状を呈するようになります。

自覚症状が軽度であるからと言って放置すれば、長年の積み重ねによって神経麻痺をきたして寝たきりなったり、膀胱直腸障害をきたして排尿排便困難となる場合もあります。

超高齢化社会となっているわが国では、このような脊椎変性疾患は脊椎脊髄病の約9割を占めています。

脊椎内視鏡外科の手術適応疾患

腰椎疾患

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間孔部狭窄症、変性すべり症、分離すべり症、脊柱管内嚢腫病変(椎間関節嚢腫、椎間板嚢腫など)、変性側弯症、Failed back surgery(腰椎多数回手術後)など
椎変性疾患の約75%に該当します。

頚椎疾患

椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚髄症、黄色靱帯石灰化症など、脊椎変性疾患の約25%に該当します。

胸椎疾患

椎間板ヘルニア、黄色靱帯骨化症、円錐上部症候群、胸髄症など、脊椎変性疾患の約5%に該当します。

注)脊髄・馬尾・神経根が画像上神経圧迫を認めても無症状の場合も多々あり、その場合は手術適応とはなりません。

脊椎内視鏡手術の適応外となる疾患(脊椎固定術の適応となります)

  • 脊柱靱帯骨化症:後縦靭帯骨化症
  • 脊椎外傷:頚椎脱臼骨折、胸腰椎破裂骨折など
  • 脊髄損傷:不安定性椎体骨折、髄内出血など
  • 脊椎感染症:化膿性椎間板炎など
  • 脊椎腫瘍・脊髄腫瘍:椎体巨細胞腫、神経鞘腫など
  • 脊椎椎体圧迫骨折:骨粗鬆症、椎体腫瘍など
  • 脊柱側弯症・後弯症:思春期側弯症、変性側弯症など
  • その他:リウマチ性脊椎炎、透析性脊椎症など