創造する、ちから。
看護師は、いつも新たな課題に向き合っています。
課題を乗り越えるためには、解決方法を「創造する力」が欠かせません。
その力を最大限発揮するには「キャリアにあった仕事の内容」「ライフワークバランス」が重要です。
ここでは、様々なキャリアや生活背景を持った看護師たちを紹介します。

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専門医とチームを組んで、患者さんの専門的サポートをしています。
糖尿病看護特定認定看護師

糖尿病看護認定看護師になろうと思ったきっかけについて教えてください。
当院では糖尿病専門医の不在期間が長かったんです。患者様に専門的な支援をしたいと考えて、認定看護師を取りたいと思いました。
認定をとるのに大変だったことは?
学校に通っている間、勤務は休みをいただいていましたが、受験までの間、業務と学業と家庭のバランスをとるのが難しかったです。学業はむずかしいというより楽しかったですね。もう6年ほどたちますが、共に学んだ仲間と今でも連絡を取り合い毎日の看護の励みになっています。
認定看護師の勉強の間、病院からサポートはありましたか?
学費のサポートがありがたかったです。また学校に通っている期間を勤務としてもらったり、組織分析の授業で必要な病院の情報を現地まで送ってもらうなど、情報提供の面でもサポートしていただきました。
おととしには特定行為の研修も修了されましたが、糖尿病看護特定認定看護師として現在どのようにお仕事をされていますか?
外来を拠点として組織横断的に活動をしています。 専門医とチームを組んで、患者さんの専門的サポート(インスリン投与量の調整など)をしています。外来では「糖尿病看護外来」(フットケア、療養指導外来、透析予防外来)を開設しています。
特定認定看護師としてのどのように活動していますか?
月曜日と火曜日は特定行為の活動をしています。主に患者さんの状態や治療変更に伴う、インスリン投与量の調整などです。火曜日は13:00からNST(栄養サポートチーム)回診をおこなっています。外来では、医師のオーダーにより看護外来(主に週中の午前中)を行っています。

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手術創以外の部分での痛みやしびれ、不快感の出現をなくしたい。
手術看護特定認定看護師
手術看護特定認定看護師になろうと思ったきっかけについて教えてください。
手術創以外の部分での痛みやしびれ、不快感の出現をなくしたいと考えたからです。
認定をとるのに大変だったことは?
認定看護師を取得するという気持ち的な維持です。


手術看護特定認定看護師の勉強の間、病院からサポートはありましたか?
金銭面、雇用面含めサポートがありました。
また、定期的に体調面等の連絡もいただきましたし、修了式においては祝辞もいただきました。
特定認定看護師としてどの様に業務しているか?
認定看護師と特定行為の活動を比較すると、認定8:特定2の割合といった感じです。
つまり、看護実践に着眼すると認定看護師の方が充実して業務できます。
一方で、医療に着眼するならば、特定行為ということになります。
どちらも重要ですが、医師との連携による分業であり、最終的に患者のニーズに即することが最大のミッションであると考えます。
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チームで話し合いながら患者様の看取りやアドバンスケア、日々のケアを行っています。
緩和ケア認定看護師

緩和ケア認定看護師になろうと思ったきっかけについて教えてください。
急性期病棟で勤務していた時に3人の60歳のがん終末期の患者様のケアを担当しました。現在なら在宅療養など療養生活の選択も当たり前のように行われていますが、当時は病院に入院しての療養生活が中心で、3人の中のお2人は病名すら伝えられていない状況でした。人生の節目を迎え、また新しい生活を送ることになっていた3人の患者さんの療養生活が、急性期の患者様のケアが優先されがちな忙しい病棟で、少しでも良いものにできるようにするにはどうしたらいいのだろうと考えました。3人が亡くなった後も考えました。
この経験があり、緩和ケア認定看護師教育課程で終末期のがん患者様のケアを学びたいと考えたきっかけです。
緩和ケア認定看護師研修過程での研修中に困ったこと?
教育課程での講義や研修は忙しい中にも数々の学びがあり充実したものとなりました。ただ子供がおりましたので子育てとの両立が難しく感じました。
特定認定看護師としてのどのように活動していますか?
医療療養病棟に所属し患者様の看取りやアドバンスケア、日々のケアについて病棟の看護師をはじめ多職種のスタッフと日々話し合いながらケアを行っています。
院内では緩和ケアチームの一員として毎週のカンファレンスに会参加しています。

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働いてみて、患者さんにとってとても重要なケアの一つだと実感するようになりました
皮膚・排泄ケア認定看護師
皮膚・排泄ケア認定看護師になろうと思ったきっかけについて教えてください。
当時勤めていた病院からの勧めがありました。その時は自分の中で皮膚・排泄ケアの分野で経験不足を感じていたのでお断りしようとしたのですが、院内での必要性や費用の負担を行うというお話もあり、挑戦させていただくことにしました。
認定をとるのに大変だったことは?
認定看護師制度が始まりまだ3回目の試験だったので、受験用の資料がないことが大変でした。それでストーマに関する看護などの出版物を読んで試験に挑みました。研修もまだ受け入れ病院が少なく、カリキュラムもタイトであったため苦労した記憶があります。現在は過去問の取り寄せができ、先輩から教えてもらえることも多いと思います。また教育体制もシステム化され、特定行為など学べる内容も充実してきているのでそうした問題点は解消されてきていると感じています。


これから認定看護師を目指される看護師の方に期待することはありますか?
認定制度はカリキュラムや試験で構成されているので「クリアさえすれば取得することできる」とも言えます。でも皮膚・排泄ケアの必要性を意識して目指してもらえると嬉しいです。私自身も職場からの勧めでこの世界に入ることになったのですが、実際認定看護師として働いてみて、患者さんにとってとても重要なケアの一つだと実感するようになりました。
今の目標は何ですか?
次の皮膚・排泄ケア認定看護師の育成を考えています。皮膚・排泄ケアという特定の分野への関心も大切ですが、「患者さんに提供する看護全体の中で自分が担う役割」という視点を持つ看護師さんを育てられたら、と思っています。