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紀和病院
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病院長ご挨拶

命の輝きを大切にし、患者様に寄り添った医療を行います

 令和4年(2022年)4月から紀和病院の院長を拝命した山上裕機(やまうえ ひろき)です。私は昭和56年(1981年)に和歌山県立医科大学を卒業し、外科学第2講座(消化器外科学講座)に入局しました。卒後2年間の初期研修で橋本市民病院に赴任する機会に恵まれました。当時の市民病院は橋本市東家にあり、周囲には市役所や消防署がある市の中心地にありました。卒業して日の浅い新米医師でしたが、温かく迎えて頂きました。40年の時を経て、再び橋本市で医師として仕事ができることを心よりうれしく思っています。
 その後、国立田辺病院に異動し、胃がん・大腸がん・胆石、ヘルニアや虫垂炎などの一般外科、救急外科の修練を終え、和歌山医大に帰学しました。以後、約37年間、アメリカ留学の時期を除いて一貫して大学病院に在籍し、消化器外科、なかでも肝胆膵外科を専攻してきました。とくに膵がん手術では西日本で最も多くの手術を担当し、1,000名以上の膵臓手術を執刀してきました。
 平成13年(2001年)、和歌山県立医科大学外科学第2講座の主任教授となり、以後21年間は外科教授として診療・教育・研究を指導してきました。和歌山医大の医学部長や附属病院長を経て、このたび、紀和病院でお世話になることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 紀和病院は、1984年に開設され、地域医療の要として発展してきました。現在、病床数299床を有し、超急性期から慢性期まで一貫した医療を提供できる機能を備えた病院といえます。
 本院はチーム医療に基づいた質の高い医療を目指します。

 まず、内科ですが、患者様の状態を全人的に診ることを心がけています。とくに、総合診療科では全身を意識した医療、患者様に寄り添う医療を目指しています。原因不明の発熱や疲労などに隠れている病気を発見し、最適な治療を行っていきます。呼吸器内科は肺炎などの感染症、気管支喘息、たばこが原因の中心となる慢性閉塞性肺疾患、肺がん、肺結核などの呼吸器疾患に加え、睡眠時無呼吸症の検査と在宅治療(CPAP)も治療しています。
 消化器内科は胃や大腸のみならず肝・胆・膵疾患まで幅広い分野を診断・治療しています。消化器がんの早期発見に努め、当院外科との連携で最高の治療をお約束します。また、ウイルス性肝疾患、慢性肝炎などの治療にも精通しています。胃ファイバーは年間約2,500件、大腸ファイバーは250件、内視鏡的腫瘍切除術も積極的に行っています。
 循環器内科は高齢者で多い高血圧、不整脈などを中心とした診療を行い、超高齢化社会の中で安心して在宅療養を継続できるように支援します。糖尿病・代謝内科では糖尿病の治療を重点的に行います。 糖尿病治療は一生涯に渡る長い治療が必要です。患者様の病態をしっかり診断し、最適の治療を個々の患者様ごとに実践しています。糖尿病では腎臓病も併発しますので、透析を専門とする人工透析内科医との連携で最適の医療を提供できる体制となっています。
 放射線科では、最新鋭の診断機器を駆使して、質の高い画像診断を行っています。私は長らく和歌山県立医科大学外科学附属病院で勤務していましたが、当院の画像診断の質はきわめて高く、大学病院と遜色はないと考えています。
 緩和ケア科では、和歌山県内で最大の緩和ケア病床を運用しています。当院の緩和ケア科は、がん患者様の最期を看取るためだけではなく、『がん治療で可能な限り辛い症状を緩和し、ご本人の意思を大切にした医療を行う』ことを心がけています。緩和ケア科は、本院のチーム医療を結集した全人的で患者様に寄り添った医療・看護を提供します。

 外科系診療科をご紹介します。
まず、乳腺外科です。手術件数は、和歌山県では和歌山医大病院、日赤病院に次ぐ第3位の手術件数で、県下有数の乳がん手術を行っている病院です。『世界標準の乳がん治療』『患者様の心に寄り添う乳がん診療』をモットーに多くの職種からなる『ブレスト・チーム』が乳がん患者様を全面的にお支えします。
 整形外科では骨折、脱臼、靱帯損傷、変形性関節症などの疾患を治療しています。高齢化社会では頻度が高く、最適な治療により早期の社会復帰を目指しています。脊椎外科は整形外科の中でもとくに背骨が原因となる腰痛、頸の痛み、しびれ、歩行障害を治療します。脊椎の病気では生活習慣の改善が大事です。リハビリを含めた全人的な治療を展開します。
 手術が必要となった際には、患者様に優しい小さな傷で手術ができる脊椎内視鏡手術を行っています。年間200件を越える脊椎内視鏡手術を行っており、和歌山県はもちろんのこと、大阪府・奈良県のみならず中四国や九州からの患者様も手術を受けに来院されています。
 消化器外科は、2022年4月から本格的に稼働します。和歌山医大から3名、奈良医大から2名、近畿大から1名の計6名の消化器外科専門医を招聘し、最高の外科手術を行っていきます。なかでも胃がん・大腸がんの手術は、すべて、腹腔鏡下手術で安全・確実に施行し、胆石は単孔式で行いますので、おなかには小さな傷が一つだけで手術が可能です。これらの手術はチームで行い、チーム医療の一環として『腹腔鏡手術(ラパロ)センター』を立ち上げました。また、肝・胆・膵疾患については、私の専門領域ですので、『膵臓・胆のうセンター』を立ち上げました。とくに膵がんは難治がんですが、最先端の治療を提供いたします。健診の一環として『膵がんドック』を開始し、早期膵がんの発見に努めます。
 これら外科系の手術を支えるのは麻酔科です。全国的に麻酔医不足が問題になっていますが、当院では2名の麻酔科標榜医が在籍し、高度な麻酔管理が可能になっています。

 看護部は、『やわらかい態度で患者様に寄り添う』ことを目指し、コロナ禍のため常にマスクを着用していますが、患者様に笑顔を届けるように心がけています。慢性呼吸器疾患看護、糖尿病看護、救急、皮膚・排泄ケア、緩和ケアの認定看護師が在籍し、良質な看護を提供できる体制をとっています。
 リハビリテーション部は、急性期から在宅支援まで途切れないリハビリを提供することをモットーとしており、和歌山県最大の102名のスタッフで患者様の生活の質向上、社会復帰、および治療サポートに全力で尽くします。2022年4月から消化器外科手術を開始します。和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座との連携で高度な周術期リハビリを展開します。手術前後のリハビリは大変重要であり、安全な手術を完遂するために患者さんに寄り添います。
 薬剤部は、最近の薬物治療の進歩に歩調を合わせ、最新の薬物療法を支援します。日病薬病院薬学認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師、栄養サポート専門療法士、および糖尿病療養指導士が在籍し、質の高い薬剤業務を展開します。
 検査室は患者様の治療に必要なすべての検査を網羅できる体制を取っています。放射線科は『患者様に優しい検査』 をモットーに24時間体制で業務を行っています。最新鋭のCT、MRを有し、地域医療に貢献しています。さらに、乳がん検診でのレントゲン検査では女性技師が対応し、受診者のみなさまに検診を受けやすい環境をつくってきました。健診部ではその他の健康診断も積極的に展開しています。
 透析室・MEセンターでは、地域の透析治療の中核として、年間約12,000件の透析室稼働数で腎臓病の患者様に寄り添っています。
 医療安全管理室、地域連携室、医療福祉相談室では、安全で高度な医療を目指して、地域の病々連携・病診連携に向けて全力で取り組んでいますし、事務局職員は上記の当院の機能が円滑に進むように全職員が心を一つにして患者様の立場に立った職場になるように日々努力しています。

 以上のように、紀和病院では、病院職員が一丸となってチーム医療を展開し、患者様目線でみなさまに寄り添う医療を推進していきます。

紀和病院 院長 山上裕機